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休日はだらだらしたい派なんですが…まあ、こればっかりは仕方ないです。
楽しいことも入ってるしね!
さて、タイトル。
ほんとは週末上げる予定だった小話です。
もともと拙宅のルシは腹黒傾向だったのですが、最近それに磨きが掛かっているような気がしてならないwww
さて、冬の陣に向けてそろそろ原稿も進めねば…
お話は続きから
少しでも効率よく多くの情報を得たいなら、二人で一緒に行動するよりも二手に分かれたほうがいいと提案したのはごく普通の考えだといえる。
それで相手が返す反応を予測してもすべてを考え付くかは別問題だ。
【14:指切り】
聞き込み調査の効率をあげようとボリスが別行動を提案したら、珍しくルシアンに渋られた。
二人が別行動中、ボリスの剣を狙うシラクとかいうやっかいな傭兵の襲撃を受けてまだ日が浅いのだ。
ルシアンにもまだあの傭兵との戦闘が色濃く記憶に残っていることが簡単に想像がついたが、だからといって常に二人で行動するのも難しい。
本来は自分の護衛というポジションで、かつ短くない時間を一緒に過ごしているのだから、この黒髪の青年の腕を信用してない訳のは本人もよくわかっているのだが、心情的にどうしてもルシアンの表情は晴れない。
どうしたものかとボリスも思案に暮れるがこれといった妙案が浮かぶわけもなく。
「…指切りでもするか?」
思慮深い青年にしては随分と投げやりな言葉をルシアンに放り投げていた。
さすがにボリスからこの発言が出るとは思っていなかった少年も思わずきょとんとする。
しかし少しの間考え込むような間をおいた後、ぱっと明るい笑顔を見せた。
「うんっ指切りしよう!」
にこにこと何が嬉しいのか満面の笑顔で小指を差し出されて、言い出したボリスは今更ながら気恥ずかしそうに思わず目を泳がせた。
けれど自分が言い出した手前、しないわけにはいかないと、ためらいがちに小指を絡める。
ルシアンが軽快に節をつけてお決まりの歌をくちずさみながら軽く手を上下に揺らす。
その無邪気さについ顔をほころばせたボリスに、最後の一節を言ったルシアンが顔を近づけた。
耳元に囁かれたそれにぱっとボリスの目元に朱が散り、わずかに見開いた瞳でルシアンをみる。
「約束、だからね?」
針千本のかわりだよ、と変わらない邪気のない笑顔で念を押したルシアンが、鼻歌でも歌いそうな面持ちで足音も軽やかに聞き込みに向かっていった。
真正面から表向きは大変愛らしい笑顔を向けられたボリスは一瞬硬直したあと海よりも深そうなため息をついて少年と反対方向に歩き出す。
その日落ち合う約束の時間より随分早くボリスは待ち合わせ場所に戻ってきたのはいうまでもない。