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最近の出勤はちょっとだけ朝に余裕があるんですが、夜明け前に寒くて目が覚めてしまってちょっと切ないw
昔から眠っていいときはとことん眠る方なんで。いつも5分以内で大体夢の世界に旅立ちますよw
あと二度寝の気持ちよさは異常←
今回のお話はほのぼのです。…カプ表記がいらないくらいかもしれないw
お話はつづきから。
昼前だと言うのに生憎の雨模様で室内は早々にランプの油の燃えるかすかな音がする。
かさかさと乾いた音を立てて時折めくられる紙の音と、響き続けるペンの走る音。
ルシアンが別の依頼で出かける前は、部屋にはその音達くらいしか聞こえていなかった。
【16:うたた寝】
書簡をライディアの町長に無事手渡して、ルシアンは早足でワープポイントに向かう。
以前から何度か受けたことのある依頼だからと一人で請け負った任務も無事終えて、後はアクシピターでアレンに報告すれば今日は緊急の要件がない限り自由だ。
生憎の小雨でボリスを買い物に引っ張り出すのは無理だが、ボリスの仕事を手伝いながらのんびり二人きりの部屋で過ごすのも悪くはない。
きっと朝から書類整理に没頭しているボリスは昼を大分すぎた今でもろくに食事をとってないかもしれない。
食べていたならおやつ代わりの軽食にまわせばいいと、アクシピターからの帰りにルシアンは馴染みの食堂でいくつか軽く摘めるものを買いながら宿舎に戻った。
「ただいまー……って、アレ…?」
軽くノックしながら返事を待たずにドアを開ける。
部屋の一角に据え置かれた机に目的の人物を見かけるが、いつもと違う様子に出来るだけ音を立てないようにしてドアをしめると外套をいつもの壁掛けに引っ掛けた。
足音と呼吸さえ潜めてそっと寝台脇のテーブルに買ってきたサンドイッチの袋をおいて、そろりそろりとボリスの座っている机に近寄った。
「うーん…疲れてたのかな?」
危険ではないけれどここのところはずっと複数の任務を掛け持ちしていたのだ。普段から体調管理に気を配っている青年でも疲れは溜まっていたのだろう。
それでも生真面目な彼らしく脇に整頓された書類の束はほとんど終わっているようで、ちょっとの休憩のつもりが本格的に眠ってしまったようだった。
気配に聡いボリスがこれだけ顔を近づけたルシアンに気づかないというのはよほど深い眠りなのだろう。
なんとなくこのまま起こすのももったいない気がして、ルシアンはボリスにブランケットを掛けてやると隣に椅子を引き摺ってきた。
腕を枕にしているせいで口元はよく見えないが、こうしてみるボリスは年相応に見える。どれだけ激しい情交の後でもほとんどボリスが先に起きるか同時に目が覚めるかで、以外にじっくりと寝顔を眺めたことは今までなかった。
同じように腕を枕にしながら影をつくる長い睫や艶のある長い髪を眺めているうちに、ボリスの睡魔がルシアンにも移ったようだった。
緩慢な動作でボリスの髪を撫でていた手が徐々に動きが鈍くなっていき。
小さくあくびをこぼしてルシアンも程なく寝息を立て始める。
思いのほか深く眠り込んでしまったと気づいたボリスが慌てて目を覚ますのは、それから数時間後のことだった。